バカボンおそ松のマンホール大冒険!

「バカボンおそ松のマンホール大冒険!(英題:THE MANHOLE ADVENTURE)」は、共同プロダクション・東京12チャンネル・東急エージェンシーが制作した赤塚不二夫原案の劇場用アニメ。1977年8月27日公開。
21世紀現在はカルトムービーとしてマニアの間で伝説的存在となっている。

あらすじ

内容および製作・公開について

「天才バカボン」「おそ松くん」などを生み出したギャグ漫画の巨匠・赤塚不二夫が原案を手掛けた。共同プロダクション、および制作者である斎藤孝仁の最初で最後の劇場製作作品。実際の製作は東京ムービー傘下から独立し、Aプロダクションから改組したばかりのシンエイ動画が担当しており、本作から実質的にシンエイ動画に制作母体を移行した。斉藤プロダクションが制作したスペシャルテレビアニメ「ぼく、桃太郎のなんなのさ」の放送が終了した直後、映画配給会社の契約も未定なまま映画製作に着手した。
色彩は基本的に原色を多用しているので全体的にサイケデリックな印象が見受けられる。
セル画4万枚・製作人数200人・製作期間6ヶ月・制作費7000万円と共同プロダクションが社運を賭け全精力を注いだ作品であった。
作品内容は赤塚不二夫の支離滅裂でメチャクチャな世界観を彷彿させ、原作者の赤塚から絶賛されたが、いざ蓋を開けると内容が内容だけに客が数名しか入らず、半年続映が2ヵ月で打ち切られたとされる。実質的監督である斎藤がパンフレットに寄稿した「声明文」について、福田赳夫首相(当時)は「反日活動家のような文体で、とてもアニメ監督のものとは思えない」と評している。映画雑誌には「結局、時流に乗っただけの作品で、内容も何もない駄作に終わった。」と酷評された。興行的にも作品的にも全く評価されずに斉藤プロダクションは本作を最後に活動を停止した。
宮崎駿の証言によると1977年12月頃、旅行で立ち寄った青森の映画館で深夜に2本立て(いわゆるグラインドハウス映画)の1本で本作が上映されており、それを偶然見たという。宮崎はスタッフロールにAプロ時代の同僚である小林治のクレジットを見つけ、小林が新しいアニメスタジオに移ったと聞いていたため、帰京中に小林のいるスタジオを訪れた。それこそ、楠部大吉郎が新たに起こしたシンエイ動画であった。宮崎は帰京後、テレビ下落合プロデューサーの吉田博明に「藤子不二雄先生のアニメを作るのに良い会社はないか?」と聞かれた際にテレビ下落合映画社を紹介し、その結果「藤子不二雄・銀河鉄道7日間宇宙一周の旅」の制作担当をシンエイ動画がすることになったという。

登場人物

イヤミの水戸黄門一行

バカボンのパパら6人のモチーフは時代劇「水戸黄門」である。
  • バカボンのパパ
    声:高松しげお
    • 主人公、息子のバカボン、ハジメと優しいママと毎日楽しく暮らしているマイペースな中年男。
      デザインは同時期に放送されていた「元祖天才バカボン」から流用している。

  • バカボン
    声:太田淑子
    • バカボン一家の長男。のんびり屋で心優しい少年。
  • イヤミ
    声:愛川欽也
    • 中年男性。名前の通り嫌味な性格。
      ダメおやじの魔法使いから「イヤミの水戸黄門」という名前を与えられた。
  • チビ太
    声:千々松幸子
    • 小柄な少年。生意気で負けず嫌いな性格。おでんが大好物。
      ダメおやじの魔法使いから「風車のチビ太」という名を授かる。
  • ウナギイヌ
    声:田の中勇
    • ウナギと犬の間に生まれた生物。
      劇中ではコメディリリーフ的な役割を担う。
  • トト子
    声:野村道子
    • 本作のヒロイン。本作公開(1977年)当時の本家における霞のお新ポジション。
  • ダメおやじの魔法使い
    声:山田康雄
    • 元々は古谷三敏の「ダメおやじ」の主人公・雨野ダメ助。長年マッド軍団を追っており、彼らがバカボンのパパらを抹殺しようと企んでいることを知り、パパらを旅に行かせ護衛に着く。

エド・シティの住人

  • ダヨーンの浦島太郎
    声:永井一郎
  • 六つ子のカラス
    声:

マッド軍団

首脳陣の殆どは、脚本の雪室がかつて携わっていた「ゲッターロボ」の恐竜帝国幹部の焼き直し、マッド・ザ・セブンは「グレートマジンガー」の七大将軍の焼き直しである。
  • 帝王ブラックネット
    声:青空球児
    • 縄文時代から江戸時代にかけて日本を影で支配していた元妖怪帝国の帝王であり、現在は地球から8万光年の彼方にあるマッド星の帝王。明治維新により地球を追放された妖怪を再び日本に戻らせるために、100人近くの妖怪兵を送り込むも、全員幼児退行を起こしてしまうという怪現象が発生したため、部下と共に円盤に乗って直接地球へ行き、現代の日本を江戸時代の日本に戻した。最終決戦ではバカボンのパパにロボット妖怪軍団で攻撃を仕掛けるも、最後は時限爆弾の爆風から部下と共に円盤で逃げて行く。モデルはおおだ靖夫。

幹部

  • サークラー将軍
    声:石川進
    • 帝王ブラックネットの片腕とも言うべきマッド軍団の大幹部。妖怪の繁栄を重んじ、野心もなくマッド軍団のために専心する優秀な忠臣。モデルは丸山正雄。
  • 白髪ババア
    声:曽我町子
    • マッド軍団の女幹部。サークラーの補佐役を務める。
  • マクラーレン科学長官
    声:肝付兼太
    • マッド軍団の科学技術長官。様々なロボット妖怪や新兵器を開発した。モデルは出崎統。

マッド・ザ・セブン

  • シダール
    声:大塚周夫
    • ドロー軍団のチーフとして、リーバーと共に配下の妖怪兵を率いる。

登場メカ

声の出演

  • バカボンのパパ:高松しげお
  • バカボン:太田淑子
  • イヤミ:愛川欽也
  • チビ太:千々松幸子
  • ウナギイヌ:田の中勇
  • トト子:野村道子
  • ダメおやじ:山田康雄
  • ダヨーン:永井一郎
  • ハタ坊:杉山佳寿子
  • デカパン:はせさん治
  • おそ松:丸山裕子
  • カラ松:野沢雅子
  • チョロ松:松金よね子
  • 一松:つかせのりこ
  • 十四松:山本圭子
  • トド松:堀絢子
  • おとうさん:雨森雅司
  • おかあさん:高橋和枝
  • 帝王ダークネット:青空球児
  • サークラー将軍:石川進
  • 白髪ババア:曽我町子
  • マクラーレン科学長官:肝付兼太
  • :柴田秀勝
  • :富田耕生
  • :八奈見乗児
  • :滝口順平
  • :大塚周夫
  • 妖怪兵:山田俊司、古川登志夫、野田圭一
  • 旅館の館主:神谷明
  • おまわりさん:加藤修
  • レレレのおじさん:槐柳二
  • バカボンのママ:増山江威子
  • ハジメ:貴家堂子
  • ナレーター:富山敬
  • 協力:青二プロ、テアトルエコー

主題歌

  • オープニングテーマ「タリラリラーン大冒険」(パシフィック音楽出版)
    • 作詞:中瀬当一 (*1)/作曲:山本正之/編曲:神保正明/歌:こおろぎ'73
  • エンディングテーマ
  • 挿入歌

スタッフ

  • 原作:赤塚不二夫
  • 製作指揮:斉藤孝仁
  • 企画:玉井寛男(共同プロダクション)、山田順彦(東宝)
  • プロデューサー:楠部大吉郎(シンエイ動画)、新美隆雄(東京12チャンネル)、松島忠(東急エージェンシー)
  • 演出:大塚康生、出崎統
  • 脚本:雪室俊一
  • 作画監督:小林治
  • オープニング
    • 演出:さきまくら
    • 作画:川尻善昭、大橋学
  • 劇画:杉野昭夫
  • メカニックデザイン:大河原邦男(メカマン)
  • レイアウト:芝山努
  • 美術監督:川本征平、鈴木森繁
  • 撮影監督:三沢勝治
  • 録音監督:松浦典良
  • 編集:越野寛子
  • 音楽:山本正之
  • 効果:柏原満
  • 選曲:大熊昭
  • 録音:神原広巳
  • 現像:東洋現像所
  • 制作協力:フジオプロ、シンエイ動画、マッドハウス
  • 制作:共同プロダクション、東京12チャンネル、東急エージェンシー
  • 配給:東宝株式会社

人気の再燃

後にプリントがアメリカ合衆国にわたり、「THE MANHOLE ADVENTURE」の題で興行収入15億のヒットを飛ばした。日本では永らく存在そのものが忘れられていたが、1995年にIMAGICAが横浜工場を閉鎖する際の在庫整理でネガの原版が発見され、赤塚の意向でニュープリントに焼かれ、1997年の赤塚不二夫展で上映された。2000年代後半頃からはストーリーの奇妙さなどでツッコミがいがある珍作として再評価され、2ちゃんねるやニコニコ動画などインターネットのコミュニティで人気を呼ぶようになった。
2012年3月29日、初公開から35年の時を経て初の公式サイトがオープンし、同5月18日には公式サウンドトラックCDが発売された。
ネット上でのブームを受け、。

テレビ放送

2015年8月6日にテレビ下落合の「木曜スーパーバラエティ」でデジタルリマスター版がテレビ初放送された。原版の映像に映り込んだ汚れやゴミの除去、音声のノイズの除去、5.1chサラウンドへの再録音等のリマスター化に3年が費やされている。
2016年3月31日には、やはりテレビ下落合の「木曜スーパーバラエティ」で放送された。

  • 最終更新:2017-02-17 22:06:13

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